まちと若者をつなぐ家

一般的な賃貸住宅市場では、築40年以上経つ木造は好んで選ばれません。そんな木造アパートを、地元の大学生が代がわりしながら住み継ぐ住宅=シェアハウスとして再生し、まわりからちょっと意識される仕掛けを細部に込めました。鈴木文化シェアハウスでは、開放的な共用スペースの風景が、通りから見える窓辺のデザインになっています。時期によっては、課題の制作で机に向かう姿や、友達と真剣に話し合う風景などが垣間見え、この古い家やまちが、学生さんを優しく見守っているようにも見えます。

VOICE 作り手の声

当初窓際には、外からの視線を遮れるようカーテンレールを設ける予定でした。しかし、初代入居学生さんより「窓には何も設けなくてそのままでOK」との大胆な意見から、共用部は透明な窓のまま、カーテンはなしとなりました。今でも窓辺の仕様はそのまま引き継がれ、入居するメンバー次第で、共用部分も少しづつ変化していたりします。多少散らかっているときは、きっと大学が忙しいとき…なんでしょう。

●グッドデザイン賞2013 受賞

DATA データ

名称
Y's house RD03「シェアハウス」
所在地
神戸市須磨区禅昌寺町1-11-41
構造
木造二階建て シェアハウス
設計
神戸芸術工科大学 神撫町・禅昌寺町プロジェクトチーム+KONNO
施工
株式会社 住僖+神戸芸術工科大学チーム
竣工年月
昭和49年築 平成25年1月 1階3室改築
間取り
3R+LDK
写真
多田ユウコ